「詩」を書くということ

こんばんは、高尾です(^^♪

風の冷たい一日でしたね。

今日は朝から上智での授業。
「悲しみの秘義」「見えない涙」の著者、若松 英輔先生が講義してくださいました。

さあ、「かなしみ」という漢字を5つ書いてみよう!

胸が 打ち砕かれ ひきさかれそうになる   悲しみ
隣人の痛みに はげしく 心ゆさぶられる   哀しみ
喪った人を いまここに 強く感じる     愛しみ
世に飛び交う 情愛の姿を まざまざと映じる 美しみ

詩集「見えない涙」ーヒトから人へーより

そして、、、個のかなしみを超える      愁しみ

 

さまざまなる「かなしみ」は折り重なり、その裏側に隠れていることもあります。目に見えないもの、耳に聴こえないもの、そして言葉にならないものを感じ取り、どう向き合っていくか・・・
それがグリーフケアにとって、とても大切なことなのです。

伝えたいことを言葉にしようと思った時、知りうる限りの言葉を並べても、言葉にならないもの、言葉たり得ないものがあります。
何が表現できて、何が表現できないのか、そして言い尽くせないものがあるということを知るためにも、自分の本当の思いを言葉にする=詩を書く、ということをしてみましょう!ということになりました。
上手下手ではなく、その時に何を感じたか、自分の中で何が起きたか、が大切であり、又そこに書かれた文字は、誰かに読まれることによって命が吹き込まれるそうです。

しかし、詩を書くなんて、高校生以来でしょうか。。。
ドキドキとワクワク、、、ちょっと楽しみでもあります。

風の電話

海の見える高台に
白い電話ボックスがあって
そこに
配線の切れた
黒電話がひとつ
岩手県上閉伊郡大槌町にある
風の電話

受話器をとり
耳にあてても
何も聞こえない
でも
訪れる人は皆
亡き者たちにむかって
話しかけようとする

人が
何かを語るのは
伝えたいことがあるからではなく
伝えきれないことがあるからだ
言葉とは
言葉たり得ないものの
顕れなのである

だからこそ
語り得ないことで
満たされたときに
人は
言葉との関係を
もっとも
深める

嘆き
呻き
涙して
言葉を失ったところで
ようやく
死者たちの
語らざる声に気が付く

どんなに
悲しんでもいいけど
あまり
嘆かないで
わたしの声が
聞こえなくなるから

悲しんでもいいけど
顔をあげて
あなたにはわたしが
見えないけど
わたしには
あなたの姿が見えるから

悲しんでもいいけど
ぜったいに
ひとりだとは
思わないで
いつもわたしは
あなたのそばにいるから

生者たちよ
語ろうとする前に
亡き者たちの声を聴け
祈りのとき
彼方から訪れる
無音の響きを聴くように

若松 英輔著 詩集「見えない涙」より

「ぜったいに ひとりだとは思わないで いつもわたしは あなたのそばにいるから」
社名である、Be-ingに込められた思いでもあります。

 

 

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