こんばんは。高尾です。
本日、予想を遥かに超える方々に集まっていただき、予定よりも狭くなってしまった「絵本deカフェ&綴り処」のお部屋で、『三月十一日を語る会』が開催されました。通りすがりの方にもご参加いただき、大変嬉しく思っております。
「今、話したいこと」を言葉にする側、そしてその言葉にじっと耳を傾ける側の思いが優しく溶け合い響き合って、とてもあたたかな空間となりました。
大きなテーブルの真中にキャンドルを灯し、ドリンクやジェラートを手に取りながら、思い思いのものがたりが語られました。
チェックインとチェックアウトは、民族楽器の生演奏を聴きながら・・・というとても贅沢なもので、その演奏は鳥が飛び立つような力強さだったり、皆で手を取り合って踊るような軽快さであったりと、こころに深く残るものとなりました。
地震が発生した14時46分には、ものがたりを一旦中断して静かに黙祷の時間を持ちました。なにも考えず、あの日星になって空にのぼっていったたくさんの魂と、それを見上げる遺された方々の14年間を思い、ただただ手を合わせることしかできませんでした。
この日を忘れないこと。この日に起こったことを忘れないこと。この日を境に、当たり前のように続くと信じていた日常が突然奪われてしまった人々が、今も懸命に生きておられることを忘れないこと。そして、それがいつ自分に降り掛かってきてもおかしくはないという緊張感を忘れないこと。
大自然の前では、我々人間には手の施しようもないことが起きてしまいます。ならば、このちっぽけな自分は、どんな「今」と「これから」と向き合っていけばよいのか。こたえはそれぞれ違って当たり前だし、すぐには出ないかもしれないし、ひょっとしたら出ないのかもしれません。
出ないかもしれない問いと向き合うことはとてもエネルギーが必要だけれども、こたえが出る出ないではなく、そのことと向き合う時間や過程が大切なんだなー、、、ということを考えさせられた午後のひとときでした。
松崎先生は、「自分が死ぬまでこの会は続ける」と断言されました。
来年は是非、このあたたかな場所にお越しいただけましたら・・・と既に思いは来年へと向かっております。