絵本の花束

⑳荒井良二作/『あさになったので まどをあけますよ』/偕成社

第5回
MOE絵本屋さん大賞

 

あさになったので まどをあけますよ

やまはやっぱり そこにいて
きは やっぱり ここにいる
だから ぼくは ここがすき

 

こどもたちが まどをあけています。

 

 

 

山にも都会にも海にも川にも空にも、あさはやってきます。
あるべきところに、あるべきものがあることの幸せ。
朝、カーテンを開けるたび、当たり前の日常が始まることに「あー、今日も生きてるんだな〜」という喜びがわいてきます。それは、今日もまた1日を生きていく自分に、希望と勇気をあたえてくれるのです。

前回ご紹介した『きょうは そらに まるい つき』と、まるで対を成しているようなこの絵本は、作者の荒井良二さんが、東日本大震災後に描かれた絵本だそうです。
震災後に現地を訪れ、現地の人々と接する中で、日常生活を取り戻す第一歩として絵本作家としてできることは、「朝、起きたらカーテンをあける」ことだと感じられたことから、この絵本が生まれたそうです。

あるべきところに、あるべきものがなくなってしまった非日常を経験したからこそ、日常のなにげないできごとの繰り返しこそが、本当の幸せなのではないだろうか・・・と気づかせてくれたのかもしれません。

きょうは だいすきな きのしたが わたしのへや
いつも かぜが ふいていて
やっぱり わたしは ここがすき

きみのまちは はれてるかな?
(2011年12月発行)

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⑲荒井良二作/『きょうは そらに まるいつき』/偕成社

第22回
日本絵本賞大賞受賞

夕暮れの公園で、ベビーカーの中からあかちゃんが、空を見ています。
「きょうは そらに まるいつき」

 

 

 

バレエの練習帰りの女の子や、新しい靴を買ってもらった少年が、バスの中から空を見ています。
「きょうは そらに まるいつき」

山や森の動物たちや海のくじらに、
あかちゃんから、おじいちゃん、おばあちゃんまで・・・
みんなが見上げる空には、まあるい月が輝いていて、
あったかい色のひかりがふってきます。
「きょうは そらに まるいつき」

場所も歳もいのちのありかたも全然違うけれども、
時間も空間も飛び越えて、きょうのまるいつきは、
そのみんなを繋いでいるのです。

なにげない毎日の暮らしの中で、
空を見上げ、月を眺める。
誰の目にも降り注ぐ、まるいつきの温かなひかりが
そのなにげない日々を愛おしみ、明日もまた頑張ろう!と語りかけ、
生きていることの喜びや希望でこころを満たしてくれるのではないでしょうか…

 

 

あかちゃんが空を見て笑っています。
なにが見えているのでしょうか?
なにを感じているのでしょうか?

 

満月を見上げた時の「おぉ〜〜〜〜っ」という瞬間を、ギュッととじこめたような、優しい1冊です。(2016年9月発行)

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⑱ヨシタケシンスケ作/『このあとどうしちゃおう』/ブロンズ新社

おじいちゃんがしんでしまった。

そして、おじいちゃんのベッドの下から、おじいちゃんがかいた
「このあと どうしちゃおう」ノートがでてきた。

 

そこにかかれていたのは、、、

 などなど・・・

おじいちゃんのノートを読んでると、なんだか「しぬ」のって楽しそう。。。

いや、ひょっとしたらその逆かもしれない。

おじいちゃんは「しぬ」のがこわくて、かなしくて、さみしいから、ぎゃくのことをたくさんかいて、じぶんをはげましていたのかもしれない。

でも、いまとなってはほんとうのことはわからない。

じゃあ、  ぼくもノートをかってきてかいてみよう💨

かいているうちに、ぼくは、
『しんじゃった あとのことを かんがえようとすると いま いきているうちに やりたいことが いっぱい あることに きがついた』

そうなんです!
「どう死ぬか」を考えることは、「どう生きるか」を考えることなんです。
そのことを、シンスケ流に優しく教えてくれている絵本です。
(2016年4月22日発行)

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⑰ヨシタケシンスケ作/『ころべばいいのに』/ブロンズ新社

誰しも「嫌いな人」の一人や二人はいるかもしれない。

でもって、「けつまずいて、ころべばいいのに」な〜んて思ってしまったりしちゃっているかもしれない^^;

嫌いな人のことを思う時の気持ちって、「とつぜんのどしゃぶり」みたいなもの。。。だって、じぶんではどうしようもないから・・・

嫌いな人やイヤなことは突然やってくる。

だから「はげましセット」を準備しておいて、
いつでも出動して、自分を励ませるように
しておかなくっちゃ!!

 

楽しいことも、いっぱい準備しておかなきゃ!!

それにしても、イヤな気分とか、かなしい気持ちってどこにくっついているのかしら?
からだの外なのかしら?
だとしたら、動いたりしているうちに、少しずつ取れていくのかな?
「ま、全部取れなくてもいっか〜」って思ってみるのもいいのかも・・・

 ま、前が見えないわけでもないしね・・・

これこれ!「イヤな気分」の正体(・o・)

好物は、「かなしみわたあめ」に「ためいきホットドッグ」「いかりやきそば」に「にくしみソーダ」
ひとのイヤなことが大好物。

だとしたら、ゆるせない(●`ε´●)

こんなヤツをよろこばせるなんて、悔しい〜〜

だから、ヤツにバッタリ出会ってしまった時のために、その時にヤツとちゃんと向き合うために、そのエネルギーを自分の中に蓄えておかなくっちゃ!!

イヤな場所から逃げることも大事。
自分を労ることもとっても大事。

 

自分で決めて、ちゃんとできるようになろうっと。。。

嫌いな人、イヤな気分が突然やってきた時、どのようにしてやり過ごせばいいのか、をちょこっと教えてくれる、ヨシタケシンスケ流の「こころの処方箋」。
嫌いな人いたっていいよねーっ、て思えてくるから不思議です(*^^*)
(2019年6月25日発行)

 

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⑯大西進作/平澤まりこ絵/『ABOUT TEA 紅茶の絵本』
/サンクチュアリ出版

今回はちょっと趣向の異なる絵本のご紹介です。

おうちカフェで、紅茶をフーフーいいながら飲んでみる

紅茶をいれるのは、むずかしいことじゃない。おいしい紅茶をいれる魔法はすぐ手にいれられる。

紅茶って、なんだろう?


どんな種類があるのかな?

紅茶をいれてみよう!!   
ティーバックでも、茶葉からでも、ポットひとつあれば大丈夫(*^^*)

紅茶は自由に楽しもう!! 
お菓子との相性もいいし、ホットでもアイスでも!
ミルクティーも魅力的(*˘︶˘*).。.:*♡
ベルガモットで香り付けしたアールグレイは、
フレーバーティーと呼ばれ、
その他にも、ハーブや果実、花や香料で香り付けされた魅力的な紅茶もいっぱいあります❤
おうちカフェで、ほっこりタイム〜〜〜

 あれやらこれやら、楽しいや美味しがいっぱいの

『紅茶の絵本』です(^^)/
(2016年11月23日発行)

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⑮くすのきしげのり作/石井聖岳絵/『おこだでませんように』
/小学館

 

ぼくは いつも おこられる
いえでも がっこうでも・・・・・

 

 

きのうも おこられたし
きょうも おこられてる
きっとあしたも おこられるやろ・・・・

 

 

ぼくは どないしたら おこられへんのやろ。
ぼくは どないしたら ほめてもらえるのやろ。
ぼくは・・・・・「わるいこ」なんやろか・・・・。

たなばたのひ いちばんの おねがいを かいた。
ひらがな ひとつずつ、こころを こめて かいた。

せんせいは じっと たんざくを みた。
せんせいは、ずっと ぼくの おねがいを みていた。
そして・・・

短冊に込められたぼくの願いが、先生やお母さんに届くといいのにな・・・

いつも怒られてばかりのぼくだけど、そこにはいろんな思いがあったのです。
怒られても、言い返さない理由があったのです。
そう思うと、目に涙を浮かべ、悔しさをグッとこらえる横顔が、なんだか愛おしく思えてくるから不思議です。

お母さんや先生や友だちに言うのではなく、七夕様のお願いの短冊に、一文字一文字けんめいに書いた「おこだでませんように」。このお話の「ぼく」にとって、それは、まさに天に向けての祈りの言葉なのです。子どもたち一人一人に、その時々で揺れ動く心があります。そして、どの子の心の中にも、祈りのような思いがあるのです。私は、そんな子どもたちの心の動きや祈りのような思いに気づくことができる大人でありたいと思います。<あとがきより>

そして、子どもたちだけでなく、私たち大人にだって、誰かに気持ちをわかってもらいたい時があると思います。心の機微に触れることのできる感性を磨いていくことは、どなたかの気持ちに寄り添わせていただくことへ繋がる道だと思っています。
(2008年7月2日発行)

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⑭湯本香樹実著/『夏の庭 -The Friends−』/新潮社
(絵本ではなく小説です)

ぼくら(木山、河辺、山下)は、小学6年生の仲良し3人組。山下のおばあちゃんの死をきっかけに、「人が死ぬ」ということに興味を抱き始める。そこで、近所の「今にも死にそうなおじいさん」の観察を始めることになる。ぼくらに観察されていることに気づいたおじいさんは、「死にそう」どころか、なぜかどんどん元気になっていく。いつしか「観察」は「交流」へと姿を変え、やがて、様々な関わりの中でこころとこころがふれあい、次第に友情が芽生えていく。

夏の終わり。消えゆく命と、そして決して消え失せないもの。それは、常にぼくらの傍らにあって、これからの人生のあちらこちらで道標となってくれるに違いない。

逝くおじいさんと、遺されるぼくたちの、ひと夏の物語。
(1992年5月25日発行)

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⑬林木林作/岡田千晶絵『あかり』/光村教育図書

 

 

1本のろうそくに火が灯されるところから
この物語ははじまります。

 

女の子が生まれた日「こころの中に優しい火が灯りますように」という願いが込められた、お母さん手作りのろうそくに、初めて火が灯されました。

 

嵐の日も凍えるような寒い日も、そして嬉しいことがあった日にも、いつもその灯りは少女に寄り添い、温めつづけてくれました。

 

 

 


いつしか、辛いことや悲しいことがあった日に、少女をなぐさめ、励まし、力づける灯りになっていきました。

そして、少女のこころにあかりを灯すたび、少女が歳を重ねるたび、
ろうそくは少しずつ少しずつ形が崩れ、小さく小さくなっていくのでした。

月日は流れ、とうとう最後の火が灯される日がやってきました。

「くらやみを こんなに やさしく てらすことのできる あかりを わたしは ほかに しらないわ。こころの いちばん おくまで そっと とどくのよ」

これを聴いたろうそくが、消えゆく灯りの中で少女に返した言葉とは・・・

誰かが誰かを見守っている、誰かは誰かのために存在する。たとえ、それが、どんなちっぽけな存在であったとしても・・・
そんな優しく温かい気持ちになれる、まるでこころの中に、こがねいろのろうそくのあかりがぽっと灯されたかのような、そんなそっと語りかけてくれるような物語りです。
(2014年12月1日発行)

 

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⑫いとうひろし作/絵『だいじょうぶ だいじょうぶ』/講談社

 

 

「ぼく」がまだ小さかった頃、毎日おじいちゃんと散歩を楽しんでいました。

 

 

 

 

その散歩は、新しい発見や楽しい出会いに満ちていました。

 それと同時に、怖い事や不安な事もありました。

そんな時、おじいちゃんは「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と言って、「ぼく」を助けてくれました。

こうして「ぼく」は大きくなりました。
大きくなった「ぼく」が、この魔法のことばを語りかけるのは、誰なのでしょうか?

そして、あなたは?
(1995年10月20日発行)

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⑪くすのきしげのり作/森谷明子絵『メロディ』ヤマハミュージックメディア

わたしは「メロディ」。わたしは せかいで いちだいだけの
なまえのある ピアノ。

(だれが ひいてくれるのかしら)

ピアノは、くる日もくる日も、どんな指が自分の鍵盤に触れてくれるのか楽しみに待っていました。


ある日、ふたがあけられ、小さな指がそっと鍵盤に触れました。ピアノはこころがふるえました。
それからピアノは、小さな指がおさえる鍵盤の音をひとつひとつ、こころをこめて響かせました。

女の子の誕生日に、そのピアノはやってきました。
女の子は、ピアノに「メロディ」という名前をつけました。
嬉しい時も悲しい時も、女の子はいつもメロディを弾きました。

でも女の子が中学生、高校生と大きくなるにつれ、だんだんメロディと女の子が過ごす時間は少なくなっていきました。

 何年も何年の経ったある日、メロディは知らない家に連れて行かれました。何が起こったのでしょう・・・

しばらくすると、メロディのふたが開けられ、小さな指がそっと鍵盤に触れました。

その夜、メロディは懐かしい指で、たくさんの曲を弾いてもらいました。

ピアノは弾いてくれる人がいて初めて美しいメロディを奏でることができます。そして、ピアノと弾き手の間には、様々な物語が綴られていきます。

やがてその物語は、母から娘へと引き継がれていくのでしょう♫

同じ時間を過ごした、さまざまな「モノたち」との思い出が、優しい風が吹くように、胸をフッと過るような物語です。
(2012年3月10日発行)

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⑩谷川俊太郎・詩/川端章三・写真『子どもたちの遺言』/佼成出版社
(絵本ではなく、写真&詩です…)

大人の言葉がもっぱら頭脳から発せられるのに対して、子どものことばは体全体から、そして心の表面からではなくその底の方から発せられる
ー作者あとがきよりー

日常どこにでもありそうな子どもたちの一瞬を捉えた写真と、それに添えられた詩。
それらを通して、それぞれの年代の子どもたちの心の声が聞こえてくるようです。

絵本とは一味違った一冊、いかがですか?
(2009年1月30日発行)

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⑨トーン・テレヘン作/長山さき訳『ハリネズミの願い』/新潮社
(絵本ではなく、物語です…)

ある日、自分のハリが大嫌いで、ほかの動物たちとうまくつきあえない、孤独で自分に自信のない「ハリネズミ」が、誰かを家に招待しようと思いたち、手紙を書きました。

親愛なるどうぶつたちへ

ぼくの家にあそびに来るよう、キミたちみんなを招待します。
・・・でも、だれも来なくてもだいじょうぶです。

でも、この招待状を送る勇気がありません。

もしも〇〇が訪ねてきたら・・・と想像するだけで、不安に襲われてしまうのです。
もしも、誰も訪ねてきてくれなかったら・・・と想像するだけで、悲しくなってきてしまうのです。

 せっかく来てくれたのに、お菓子が足りない(^.^;

机も椅子もへし折られちゃう(≧▽≦) 

 難しいこと聞かれてもな・・・

いつ辿り着くことやら(~_~;)

 歌を聴くと、涙が出ちゃうんだ(¯―¯٥)

オソロシイ訪問が頭の中で繰り広げられ、考えれば考えるほど、招待状が出せなくなってきてしまいました………

 

でも・・・

初めて、時間が止まればいいのに!って思ったんだ。やっと、やっと・・・
「とっても楽しかったね、ハリネズミ。また、会おうね!

 

 

そして、安心して冬眠に入りました💤 

断られるのが恐くて、誰かを誘えないことってありますよね。
せっかく来てもらっても、ちゃんとおもてなしができるかどうか不安なことだってありますよね。
いろんなことが頭の中で繰り広げられても、でも、やっぱりともだちが欲しいなって思っている「臆病で気むずかしいあなたのための物語」です。
(2016年6月30日発行)

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⑧バージニア・リー・バートン作・絵/いしいももこ訳
 『ちいさいおうち』/岩波書店
       

 

むかし、いなかの静かなところに、
ちいさなおうちがありました。

 

 

 

春になると野原はみどりにかわり、りんごの花がいっせいに咲き始めました。
夏にはいっぱい実がなりました。

 

 

秋になると木の葉は黄色や赤にそまり、りんご摘みが始まりました。

 

ところがある日、ちいさいおうちの前を自動車やトラックが行ったり来たりするようになり、あっという間に、家やアパート、電車に囲まれてしまいました。
ちいさいおうちは、まちはいやだと思いました。

ちいさいおうちは、これからどうなってしまうのでしょうか…

私たちの身の回りには、便利で華やかで魅力的なものが溢れています。
でも、自分にとって本当に大切なものって何なのでしょうか…?
(1965年12月16日発行)

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⑦シルヴァスタイン作/倉橋由美子訳/『ぼくをさがしに』/講談社

 

 

 

何かが足りない
それでぼくは楽しくない
足りないかけらを探しに行く
これが「ぼく」のかけら探しの旅の始まり

野を越え、山越え、海越えて、いろいろなものに出会いながら
かけらを探す

 大きすぎたり

小さすぎたり……  

「ぼく」は自分のかけらを見つけることができるのでしょうか…?

何かが足りない、何かを変えたい、と思った時
「ぼく」と一緒に旅をしてみませんか?
(1997年4月24日発行)

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⑥菊田まりこ作・絵/『いつでも会える』/学研

 主人公のシロですU^ェ^U

シロはみきちゃんのことが大好き♡ 
何をするのもみきちゃんと一緒でした。

 

でも、ある日突然、みきちゃんが・・・

 

探しても探しても見つからないみきちゃん。 
シロはどうしていいのか、わからなくなってしまいました。

 

深い悲しみの中、シロはみきちゃんとの楽しかった日々のことを考え始めました。
すると・・・

大切な人やものとの別れ。私達はそれをどう受けとめ、折り合いをつけていけばよいのでしょうか。。。
そのヒントをなげかけてくれる1冊です。
(1998年11月発行)

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⑤スーザン・バーレイ/作・絵『わすれられないおくりもの』
                        /評論社

森のなかまの誰からも慕われていたアナグマは、ずいぶん歳をとってしまい、自分が死ぬのが、そう遠くはないことを知っていました。
でも、死んでからだがなくなっても、こころが残ることをアナグマは知っていたので、死ぬことは怖くありませんでした。ただ気がかりなのは、残していく友だちが悲しむことでした。

 とうとうある日、アナグマは、
長いトンネルの むこうに行くよ さようなら アナグマ
と手紙を残して、死んでしまいました。

モグラはベッドの中で、毎晩アナグマのことばかりを考て、毛布が涙でグッショリになってしまいました。

 

 でも大丈夫!!
あるあたたかい春の日に、モグラは、アナグマが残してくれた、たくさんのおくりもののお礼を言いに、丘に登りました。
ありがとう、アナグマさん。

かけがいのない友だちを失った森のみんなは、どう悲しみを受け容れていったのでしょうか・・・

たくさんの大切なものを、この物語は私たちに語りかけてくれています。どう受けとめるか?は自分のこころ次第です。
(1986年10月10日発行)

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④湯本香樹実/文 酒井駒子/絵『くまとやまねこ』/河出書房新社

 ある朝、くまの大の仲良しのことりが・・

 くまは、きれいな箱に、いい匂いのする
お花と一緒にことりを入れてあげました。

 どこに行くのも、その箱と一緒。
森のお友達に見せてあげると、みんな困った顔をして言います。
「つらいだろうけど、わすれなくちゃ」

 くまは悲しくなって、部屋にとじこもってしまいました。

 でもある日、気がついたのです!
外はとってもお天気がいいことに!!
くまがことりの箱を持って歩きだすと・・・
見慣れないやまねこと出会いました。

 くまは箱のふたを開けて、やまねこにことりを見せてあげました。
すると、やまねこはことりをじっとみつめてから、とっても素敵な言葉をかけてくれたのです。

 そして、くまとことりのために、ヴァイオリンを弾いてくれました。


くまはそっと目を閉じました。浮かんでくるのはこんな風景✨
やっぱり、音楽の力ってすごいです(*˘︶˘*).。.:*♡


そして、その箱を手放す決心をしたのです。だって・・・


やまねこと一緒に、こんな素敵なお墓をつくりました。


楽器の弾けないくまに、やまねこはタンバリンを手渡しました。

 そして、一緒に旅に出たのでした。

これは、大学院の授業で先生が紹介してくださった絵本です。
大切な人のことを、忘れたりしなくたっていいんだよ。
目には見えなくたって、いつも一緒なんだよ。
それを教えてくれたのは・・・

やまねこの奏でる優しいヴァイオリンの調べが、まるで聴こえてくるかのような物語です。白黒だった世界に、可愛いピンクの花が咲きました。
(2008年4月30日発行)

次回からは、第1、第3週末、の月2回のご紹介とさせていただきます(^_^)/

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③マイケル・ローゼン作『悲しい本』谷川俊太郎訳/あかね書房

扉を開くと、目に飛び込んできたのは・・・

「誰にも、
なにもはなしたくないときもある。
誰にも。
どんなひとにも。
誰一人。

・・・・・・私の悲しみだから。
ほかの誰のものでもないのだから。」

という一節。
誰のものでもない、私だけの悲しみが描かれた本です。


「悲しみがとても大きいときがある。どこもかしこも悲しい。からだじゅうが、悲しい。…息子のエディーのことを考えるときがいちばん悲しい。エディーは死んだ。
私は彼を愛していた。とてもとても深く。でも、彼は死んでしまった。」

この本には、愛する息子を亡くしてしまった一人の男の独白が綴られています。その男は、様々なやり方で自分にまとわりつく悲しみを紛らわそうとしますが、どんなに逃れようとしても、気がつくとまた、悲しみの渦に引き込まれているのでした。

絶望の底に沈んだ男を、悲しみから解放するのは、幸せの中にあった頃の記憶。
そして誕生日を祝うロウソクの火……。

悲しみの記憶から逃げずにとことん向き合うことで、いのちへの愛おしさという大切なことに気づくことができるのかもしれません。

本当に、深い悲しみが、厳しいほどにストレートに伝わってくる絵本です。
でも、何度も何度も読み返すうちに、ろうそくの灯が男のこころをぽっと温かく照らし始めるのを感じることができます。
また、谷川俊太郎の訳が、淡々と、そしてやがて、じんわりとこころに染み渡ってくるのが心地よく感じられました。
(2004年12月)
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②シェル・シルヴァスタイン作『おおきな木』村上春樹訳/あすなろ書房

      
一本のりんごの木と少年が出会いました。
毎日一緒に遊び、それで木はしあわせでした。


少年は成長し、木はひとりぼっちの日が多くなりました。

    
時々訪れる、成長した少年の望みを、木は叶えてあげました。
それで木はしあわせでした。

  
ある日、年老いた少年が訪ねてきました。
もう何も欲しいものはない、、、と、古株に腰掛ける少年。

 それで木はしあわせでした。

幼い男の子が成長し、老人になるまで、温かく見守り続ける1本の木。
木は、りんご、枝、そして幹・・・と、少年の希望を叶えるために、自分の全てを彼に与えてしまいます。
それでも木は幸せでした。
1964年にアメリカで出版され、それ以来30以上の言語に翻訳され、世界各地で人々の手に取られてきたロングセラーです。
前翻訳者の本田綿一郎さんが亡くなったため、2010年に村上春樹氏訳で改めて発行されました。(2010年9月2日発行)

あとがきに、翻訳した村上春樹氏の想いがあふれています。
「あなたはこの木に似ているかもしれません。
あなたはこの少年に似ているかもしれません。
それともひょっとして、両方に似ているかもしれません。
あなたは木であり、また少年であるかもしれません。
あなたがこの物語の中に何を感じるかは、もちろんあなたの自由です。
それをあえて言葉にする必要もありません。
そのために物語というものがあるのです。
物語は人の心を映す自然の鏡のようなものなのです。」
(村上春樹/訳者あとがきより)
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本日から、ここ「絵本の花束」で、週に1冊ずつ絵本をご紹介していきたいと思います(^_^)/

司書をしていた友人から、「デュラックって知ってる?」と、たくさんの素敵な挿絵が送られてきました。
 シェークスピアの『テンペスト』
エドマンド・デュラックの挿絵が、初めて日本に紹介されたのが、この絵本でした。

彼は1882年10月22日、フランスのトゥールーズに生まれ、19~20世紀初頭のイギリスの挿し絵黄金期を支えました。
画面構成には、浮世絵からの影響も見られ、繊細な淡いタッチが全体を幻想的、神秘的に演出し、描かれた表情からは、なんとも儚げな印象を受けます。

 『人魚姫』

  『アラビアンナイト』

 『シンデレラ』

他にも、美女と野獣や雪の女王、眠れる森の美女、アンデルセン童話集、ギリシァ神話物語なども手がけています。

これがデュラックの挿絵だとは知らなくとも、みなさんもどこかで目にされたことがあるのではないでしょうか。だからでしょうか・・・なぜか、どことなく懐かしい感じがします(^^)

ここまでにご紹介した絵本は、みなさんもよくご存知だと思いますので、初回の今日は、先日の発表会で好評だったものをご紹介したいと思います。

①ガブリエル・バンサン作『アンジュール ある犬の物語』/BL出版

            
ある日、犬は疾走する車の窓から投げ捨てられた。
追いかけても、追いかけても、その車は停まることはなかった。

            

            
突然野良犬になってしまった犬は、彷徨い、うなだれ、空に吠える。

    
やがて歩き疲れ、佇む犬の目線の遠く先に、同じくひとりぼっちで佇む少年の姿が映る。
走りより、少年の胸に顔を埋める犬。その目には、きっと優しい少年の瞳が映っていることだろう。

文字のない、ただ、線と点が鉛筆で書かれただけの絵本。物語は、読み手がそれぞれの思いで紡いでいく。しかし、最後の1枚で、きっと誰の胸も温もりに包まれるに違いない。(1986年5月1日発行)