神話の摩訶不思議

こんばんは!高尾です(^^♪

この暑さはいったいなんなのでしょう💦💦💦
1度涼しくなってからの蒸し暑さは、身体にこたえます(。>﹏<。)

院の後期の講義で、「神話学」というものを取っています。

子供の頃、「かみさまのおはなし」という本が大好きでした。
この本は、1930年に藤田ミツさんが、日本神話を子ども向けにわかりやすく、と書き上げた童話で、日本で初めての子ども向け古事記と言われています。
     

中でも「いずものかみさま」のお話が面白くて、「ヤマタノオロチ」や「いなばのしろうさぎ」を繰り返し読んでいたのを覚えています。

神話学では、神話の世界観、死生観を学びます。
「あの世(自然)」と「この世(文化・人間社会)」の間には「境界」があります。
「あの世」には、神、化物(ばけもの)、死者、子ども、動物などがいます。
「この世」には、人間(子ども、男性)がいます。
そしてその境界に、女性、犬、火、箒、鳥、橋、川、井戸、厠(トイレ)などが、「あの世」と「この世」を媒介するものとして存在します。

出産とは、女性の身体を通って、あの世からこの世に、子どもがやってくることを言います。女性は、思いっきりあの世に入り込んで、命がけで子どもをこの世に連れてくる存在です。出産は非常に危険な状態で、うっかりするとこの世に戻ってこられないこともあります。それを護るのが「犬」です。
妊娠5ヶ月目の戌の日に、腹帯を巻く習慣が今でも残っています。犬は多産で安産だから、、、とも言われていますが、神話学的には、数ある動物の中でも、犬は古代から人間との関わりがより深い存在だからだと言われているそうです。
例えば「ももたろう」に出てくる犬は、「鬼ヶ島」という「あの世」に、ももたろうと共に行き、ももたろうを「この世」に連れ帰ってくる、「あの世」と「この世」を媒介する存在として描かれています。

女性が子どもを産む力は、神聖であり、恐怖でもありました。
それは、あの世に入り込んだ存在として、男性側からは恐れと共に汚らわしい力と捉えられていました。
それとは表裏一体の切り離せない思いとして、女性はあの世と交流することのできる、聖なる霊力を持ち合わせた神聖なる存在として崇められてもいたのです。
そのために、出産時には「産屋」という、納戸のような部屋が用意されました。
ここは、神殿でもあり、隔離室でもあったのです。

そして、あの世から、媒介である女性によってこの世に連れてこられた子どもは、あの世に引き戻されることがないようにと、様々な通過儀礼を通りながら、この世に定着するのです。昔は7歳までに亡くなる子どもが多かったことから、子どもにまつわる通過儀礼がたくさん残っています。

面白いのが「箒」のお話です。
出産の時に、真っ先にやってくるのが「箒神」です。
箒神は、魂をサッとこの世に掃きだしてくれる存在だからだそうです。
大掃除をして「旧年」から「新年」へと年を越えさせるのも箒の役目です。
西洋では、魔法使いが箒にまたがり(サリーちゃん?ハリーポッター??)、魔界とこの世を行き来します。

ほぅ〜〜〜〜〜〜〜

と、一同口がポカ〜〜〜んでしたが、とにかく面白い!面白い!!(^O^)

いまだに地方に残っている、不思議な習わしである儀礼の数々・・・
こうやって、日本人は「古事記」の時代から、神々を敬い、崇めながら生きてきたという、息遣いのようなものが感じられます。

毎回毎回、噂通りの、ワクワクするような神話や儀礼・儀式の講義が続き、あっという間に90分がたってしまいます(^^)
神話の摩訶不思議な世界観から、日本人が育んできた死生観をも感じ取ることができます。様々な考え方はあるでしょうが、普遍的なものは今もなお、日本人という民俗の根底に流れているのかもしれない、という、これまた不思議な感覚を覚えるのです。

さてさて、次回はどんな神話が飛び出してくるのでしょうか\(^o^)/

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です